リード
冷蔵庫に貼ってある絵を、毎週静かに入れ替えている人は多いはずだ。最初は紙からはみ出した線の塊だった。半年後、ぐるぐるが閉じて丸になった。さらに半年、丸から線が 2 本生え、それは「ぱぱ」と呼ばれていた。
その絵を「上手い」「下手」で見るのは、たぶん損な見方だ。なぜなら、なぐり描きから人物画に至るまでの道筋は、運動制御・図像記憶・象徴機能の発達が紙の上に並行して書き出されたものであり、そこには「絵が下手な時期」というものは原理的に存在しないからである。
この記事では、子どもの絵が辿る発達段階を古典研究から整理し、ついでに「絵から知能を測れる」という昔ながらの説がいまどう評価されているのかも見ておきたい。