リード
「絵本の読み聞かせは脳にいい」「1 日 15 分の読み聞かせで語彙が増える」。書店の育児コーナーでも、SNS でも、繰り返し聞く話だ。
ただ、こうした言説の多くは出典が曖昧で、効果量も示されないまま流通している。本当に効くなら、どのくらい効くのか。読み方によって差があるのか。家にある本の冊数は、子どもの将来とどれくらい関係するのか。
幸い、絵本と読書環境は、教育心理学のなかでも比較的データの蓄積がある領域だ。この記事では、複数のメタアナリシスと大規模国際調査を手がかりに、「効く が 過大評価もされている」という、地味だが正確な像を描き直す。早期教育の煽りからも、ニヒリズムからも、距離を取りながら。