リード
新生児の写真フォルダは、退院から1ヶ月もすれば数百枚に膨れ上がる。寝顔、あくび、ミルクを飲んだあとの放心、沐浴後の上気した頬。一枚ずつ見れば確かにかわいいのに、半年後にスクロールすると、なぜか「どれも同じ顔」に見えてくる瞬間がある。
写真は嘘をついていない。撮った日付も時刻も正確に残っている。にもかかわらず、見返したときに浮かんでこないものがある。「なぜ、この一枚を撮ろうと思ったのか」だ。
この記事では、産後すぐの数ヶ月、写真と並行して、あるいは写真より先に、文字を1行残してほしい理由を書く。理由は精神論ではなく、記憶の仕組みと、産後の親が置かれている特殊な状況に根ざしている。