リード
「うちの子、生後3日でもう笑ったんです」と言う親がいる。「いえ、本当に笑ったのは2ヶ月過ぎてからでした」と言う親もいる。どちらも嘘をついていない。どちらも自分の目で見たものを、そのまま話している。
それなのに、育児書を開くと「初めての笑顔は生後6〜8週ごろ」と書かれていて、戸惑う。自分が見たあの笑顔は、何だったのか。早すぎたのか、遅すぎたのか、勘違いだったのか。
この食い違いの正体は、実は単純だ。「笑顔」という一語のなかに、医学的にはまったく別の現象が二つ詰め込まれている。そして、どちらを「初めて」と数えるかは、本来、親が決めていい問題でもある。