嘘の発達と心の理論 — 叱る前に観察する

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対象
3〜4歳の子の保護者
文字数目安
2,300字
ステータス
ドラフト v1

リード

3歳の子がはじめて、明らかな嘘をついた。台所のクッキーが減っていて、口のまわりにくずがついているのに、「食べてない」と言う。一瞬、笑ってしまう。次の瞬間、少し心配になる。「うちの子、嘘をつくようになってしまった」と。

この場面の捉え方を、少しだけ動かしてみたい。嘘は、しつけの失敗のサインではなく、認知発達のマイルストーンとして観察されてきた行動だ。心理学の側から見れば、目の前で起きているのは「悪さ」よりも「他人の心を推測する力の獲得」のほうに近い。

この記事では、子どもの嘘がいつ・なぜ生まれ、年齢とともにどう質が変わっていくのかを、査読研究を辿りながら整理する。叱るか・叱らないかという二択の前に、まず「何が起きているか」を見るための言葉を渡したい。