リード
「ゆうたもやる!」。2 歳児が自分のことを自分の名前で呼ぶ。大人の会話の感覚からすると少し不思議な表現だが、保育の場や家庭でごく普通に観察される。そしてしばらくすると、「わたしもやる」「ぼくもやる」に置き換わっていく。
この移行は偶然でも「しつけが足りない」からでもない。自己概念と一人称代名詞の獲得が連動する発達上の通過点であり、自分という存在を外側から観察する認知能力が内側からの視点に移行するプロセスの表れだ。育児書ではほとんど触れられないが、発達心理学の研究が長年追ってきたテーマである。