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自分を名前で呼ぶ時期 — 三人称的自己の発達

執筆: 森口 蓮音2026年5月14日 公開2026年5月18日 更新読了時間 約 5 分English version available
対象
1 歳半〜3 歳の子の保護者

3行まとめ

  • ·子どもが自分を名前で呼ぶのは言語の誤学習ではなく、一人称視点が確立される前の発達段階の表れであり鏡像認識・ふり遊びと18ヶ月前後に連動して発達する
  • ·一人称代名詞は話し手によって指示対象が変わる「シフトする参照語」であり、他者視点との区別という社会認知能力の発達と密接に結びついている
  • ·訂正するよりも観察する方が発達を豊かに理解でき、3歳を過ぎても代名詞がほぼ使われない場合は専門家への相談を検討してよい

目次

  1. リード
  2. 「自分を名前で呼ぶ」とはどういうことか
  3. 一人称代名詞の習得は難しい
  4. 2〜3 歳での頻発と、その後の変化
  5. 自己意識の芽生えとして記録する
  6. まとめ
  7. References

リード

「ゆうたもやる!」。2 歳児が自分のことを自分の名前で呼ぶ。大人の会話の感覚からすると少し不思議な表現だが、保育の場や家庭でごく普通に観察される。そしてしばらくすると、「わたしもやる」「ぼくもやる」に置き換わっていく。

この移行は偶然でも「しつけが足りない」からでもない。自己概念と一人称代名詞の獲得が連動する発達上の通過点であり、自分という存在を外側から観察する認知能力が内側からの視点に移行するプロセスの表れだ。育児書ではほとんど触れられないが、発達心理学の研究が長年追ってきたテーマである。


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