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嫉妬・羨望 — 感情語の発達と「ずるい」

執筆: 森口 蓮音2026年5月13日 公開2026年5月18日 更新読了時間 約 6 分English version available
対象
2〜6歳の子の保護者

3行まとめ

  • ·嫉妬: 三者関係の感情。自分が大切にしている関係を第三者に奪われるかもしれないという脅威から生じる(三者関係・関係の脅威)と羨望: 二者関係の感情。他者が持っているものを自分は持っていないという比較から生じる(二者関係・他者への比較)は構造が異なる感情で、嫉妬の原初的な形態は生後6ヶ月の乳児にすでに観察されている
  • ·感情語「うらやましい」「ねたましい」は感情体験そのものより習得が遅れて4歳以降に出現することが多く、「ずるい」はこれら複数の感情の便利な言語化だ
  • ·7〜8歳になると平等分配を好む傾向が現れるという研究があり、「ずるい」は関係の近さの証拠でもある親しい間柄でこそ強く出る感情だ

目次

  1. リード
  2. 嫉妬と羨望は、構造が違う
  3. 嫉妬は生後6ヶ月から存在する
  4. 「ずるい」が言えるようになるまで
  5. 公平感の発達 — 「なぜ平等でないといけないのか」
  6. 保護者にできること
  7. まとめ
  8. References

リード

「ずるい」という言葉が子どもの口から出てきた日のことを、多くの親は覚えている。弟や妹に対して、あるいはよその子の持ち物を見て、「あの子だけずるい」と言う。

その声は感情の表現なのか、道徳的な不満なのか、あるいはその両方なのか。大人でも言語化しにくい「嫉妬」と「羨望」の違いが、子どもにはどのように発達するのかを追うと、「ずるい」という一言の奥行きが見えてくる。

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