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「楽しかった」だけでは足りなくなる日 — 学童期の感情語彙の発達

執筆: 森口 蓮音2026年5月15日 公開2026年5月18日 更新読了時間 約 6 分English version available
対象
小学生の子を持つ保護者

3行まとめ

  • ·感情語彙は3〜5歳の基本感情から7〜9歳の社会的感情(誇り・羞恥・罪悪感)へと段階的に発達し、9〜11歳には「嬉しいけど怖い」という複数感情の同時体験の言語化が可能になる
  • ·感情を名前で呼べることが感情を経験・処理・調節する能力と深く連動しており、感情語彙の豊かさが「再評価」という高度な感情調節戦略を可能にするという研究がある
  • ·「それは悔しかったんだね」と決めつけるのではなく「どんな感じがした?悔しい感じ?それとも違う?」と問いを開いておくことが、子の感情の経験を歪めずに語彙を広げる足場掛けになる

目次

  1. リード
  2. 感情語彙の発達段階
  3. 基本感情から複合感情へ
  4. 感情語彙と感情調節の関係
  5. 記録としての感情語彙
  6. 新しい言葉が登場した瞬間を記録する
  7. 感情語彙を引き出す問いかけの工夫
  8. 行動レベルへの落とし込み
  9. まとめ
  10. References

リード

小学1年生に「どんな気持ちだった?」と聞くと「楽しかった」「嫌だった」の2択になりやすい。同じ子どもが小学4年生になると、「なんか悔しいけど、負けたのが自分のせいじゃないから、腹立つのは違う気がして、複雑な感じ」という答えが返ってくることがある。

この変化は偶然ではなく、感情語彙の発達の結果だ。学童期(7〜12歳)に起きる感情の分化と複雑化を理解すると、「何を感じているかわからない子ども」への関わり方が少し変わってくる。

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