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シェアレンティング — 子のプライバシーと未来への配慮

執筆: 森口 蓮音2026年5月13日 公開2026年5月18日 更新読了時間 約 6 分English version available
対象
SNS を利用している子どもの保護者

3行まとめ

  • ·親は子の代理として同意を行使できるが、デジタル足跡の形成については子が将来的に取り消しを求める可能性があり、EU の「忘れられる権利」はその制度的根拠として存在する
  • ·保護者の81%が重要イベントの写真を共有し12.8%は病気・手術情報も共有しているというサーベイが示すように、高感度の情報が判断なく流れるリスクは構造的だ
  • ·記録の価値と公開のリスクは同じ器に入れなくてよく、残すことより「どこに・誰に公開するか」の設計こそが問われている

目次

  1. リード
  2. Steinberg(2017)が整理した法的空白
  3. 子の同意能力と発達的な観点
  4. デジタル足跡が未来に与える影響
  5. UNCRC と子の権利
  6. 保護者が持てる選択肢
  7. まとめ
  8. References

リード

子どもの写真を SNS に投稿する。誰もが一度は考える行為だ。成長の記録を家族と共有したい、子どもの可愛らしさを残したい。その動機は誠実で、責める理由もない。

しかし同時に、ある問いが頭の片隅に残る。この写真を 15 年後に本人が見たら、どう思うか。今はまだ「同意」という概念が本人に届かない年齢なのに、デジタルの足跡は今、刻まれている。

「シェアレンティング(sharenting)」——親が子の情報・写真・日常を SNS で共有する行為——は、ここ 10 年で広く普及した。その行為に内在する法的・倫理的な問いを正面から検討した研究が、少しずつ蓄積されつつある。


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