リード
2024年末の時点で、日本に在留する外国籍の人々の数は376万人を超え、過去最高を更新した [1]。これはおよそ30人に1人が外国籍という計算になる。この人々の多くは日本で子どもを育てており、育児という普遍的な営みを、日本の制度・言語・文化という文脈のなかでこなしている。
在日コリアン、中国・東南アジア・南アジア出身の家庭、宗教上の理由から生活習慣が周囲と異なる家庭——こうした「文化的少数派」の親が直面する課題は、育児書が前提とする「標準的な家庭」とはかなり違う。それは単に言語の問題ではなく、子どもの自己認識、アイデンティティ、そして心理的健康に直接かかわる問いだ。
この記事では、民族アイデンティティ発達の研究を軸に、少数派の家庭で育つ子どもの発達を整理する。