リード
育児中の親の心理的な消耗については、多くの記事が書かれている。産後うつ、バーンアウト、孤立感——これらは今やある程度、社会的に認識されたテーマだ。
しかし身体についてはどうか。
腱鞘炎、腰痛、骨盤底筋の障害、慢性的な睡眠負債——これらは育児という行為に付随して発生する、物理的な損傷と機能低下だ。にもかかわらず、これらが「育児の副作用」として体系的に語られることは少ない。個人の体力や体型の問題として処理され、あるいは「仕方ない」で終わる。
本稿は、育児を身体的労働として正面から扱い、そこに伴う身体的負荷の疫学的実態と、対処の手がかりを整理する。