リード
子どもが 50 歳になったとき、あなたが今残している育児記録は読めるだろうか。
50 年という時間軸は、育児をしている最中には想像しにくい。しかし記録の「受取人」が子ども本人であるなら、その子が成人し、子を持ち、親の死を経験し、老年に差しかかるまでの時間が射程に入る。写真・動画・テキストのデータが、そこまで届くかどうか——これは技術的な問いだが、記録の意味に直結する問いでもある。
デジタルと紙の両方のアーカイブ性について、情報科学・デジタル保存の研究が積み上げてきた知見がある。それを育児記録の文脈で整理してみたい。