リード
育児の記録を続けている人に「なぜ書いているのか」と問うと、「子どもの成長を残したいから」という答えが多い。それは本当のことだ。しかし記録を続ける人が肌で知っているもうひとつの事実がある——書いた日の夜は、少しだけ頭が軽い、というものだ。
この「書くと楽になる」という感覚は、主観的な錯覚ではない。1986年から積み上げられてきた実験的研究が、この現象の背後にある機序を少しずつ解明してきた。記録行為の「子どもを残す」という機能と、「親自身の認知を整える」という機能を、区別しながら理解することが、記録を無理なく続けるための動機づけになるかもしれない。