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日本の文化的少数派の育児 — マイノリティ家庭の研究

執筆: 森口 蓮音2026年5月14日 公開2026年5月17日 更新読了時間 約 6 分English version available
対象
外国籍・文化的少数派の保護者、および多様な家庭に関心を持つすべての保護者

3行まとめ

  • ·民族アイデンティティの肯定的な内在化は、少数派の家庭に育つ子どもの心理的健康を長期にわたって守る保護因子として機能する
  • ·「どちらかの文化を選ぶ」のではなく、ふたつ以上の文脈を持つ自己を肯定できる環境を整えることが発達上の支えになる
  • ·育児記録に文化的行事・食事・祖父母との交流を残すことは、子どもが後年「自分の家庭の物語」を持つ素材になりうる

目次

  1. リード
  2. 民族アイデンティティ発達とはなにか
  3. 日本のマイノリティ家庭が直面する特有の構造
  4. 在日コリアンの場合
  5. 外国籍家庭の言語と文化継承
  6. 宗教マイノリティの親
  7. 文化的少数派の親ができること、社会ができること
  8. まとめ
  9. References

リード

2024年末の時点で、日本に在留する外国籍の人々の数は376万人を超え、過去最高を更新した [1]。これはおよそ30人に1人が外国籍という計算になる。この人々の多くは日本で子どもを育てており、育児という普遍的な営みを、日本の制度・言語・文化という文脈のなかでこなしている。

在日コリアン、中国・東南アジア・南アジア出身の家庭、宗教上の理由から生活習慣が周囲と異なる家庭——こうした「文化的少数派」の親が直面する課題は、育児書が前提とする「標準的な家庭」とはかなり違う。それは単に言語の問題ではなく、子どもの自己認識、アイデンティティ、そして心理的健康に直接かかわる問いだ。

この記事では、民族アイデンティティ発達の研究を軸に、少数派の家庭で育つ子どもの発達を整理する。


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