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「日本語が消えていく」不安への応え — 二言語発達研究と帰国後の再適応

執筆: 森口 蓮音2026年5月15日 公開2026年5月18日 更新読了時間 約 6 分English version available
対象
海外在住で子どもの日本語維持を心配している保護者、帰国を控えた保護者

3行まとめ

  • ·Cumminsの言語相互依存仮説が示すように、母語(L1)の学習言語能力を充実させることが第二言語の発達を阻害せず、むしろ下支えになる
  • ·帰国後に最もつまずくのは日常会話より「読み書きのリテラシー」であり、滞在年数が長いほど・補習校経験がないほどギャップが顕著になる
  • ·言語は単なる通信手段ではなくアイデンティティの構築と結びついており、「どちらかを選ぶ」ではなく「両方をどう育てるか」という問い立てが継承語教育の出発点だ

目次

  1. リード
  2. 「片方を学ぶと、もう片方が伸びない」は正しくない
  3. 継承語としての日本語
  4. 帰国後の「リテラシー格差」
  5. アイデンティティと言語の関係
  6. 行動レベルへの落とし込み
  7. まとめ
  8. References

リード

「このまま日本語が消えてしまうのでは」という不安は、海外で子育てをしている多くの保護者が感じるものだ。現地校に通い始めると、子どもの英語(またはその国の言語)が急速に伸びる一方で、日本語の語彙が減り、日本語で話しかけても現地語で返ってくるようになる。

言語習得の研究は、この問いに対してある程度明確な知見を積み重ねてきた。ただし「維持できる条件」は存在する。

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